ミャンマー国 『ヤンゴン』彷徨 その2
「軍事政権」「世界最貧国」、ステレオタイプに吹聴されるイメージだけを信じていたら、この地ミャンマーには訪れなかったはずだ。タチレイでみた屈託のない笑顔と熱気に誘われてヤンゴン入りした僕の胸は、ポンコツタクシーのリアシートと共に躍っていた。開け放たれた車窓にへばりついては飛び去っていく未知なる色彩の嵐にさらされて、これから始まる豊饒な旅を僕は確信したのだ。
屋外広告のセンスの良さに見とれながら到着したのは、ダウンタウンのど真ん中に位置するホテル『A』。
街にひしめく濃厚さとは裏腹に、やけに殺風景、無駄に駄々広いホテルである。旅に出るときは、初日の一泊のみ日本から予約していくのだが、このホテルは現地に詳しいフランス人に尋ねたところ、やめたほうがいいとのアドバイスで、なぜかと問うと、地下に秘密のクラブがあり、不良外人の巣窟なのだとか。そんなこと言われたら泊らずにはいられないのが僕の性分で、今は亡き九龍城的迷路チックな建物をを予想していたところ、25ドル、ベルボーイもピシッとした重厚なシティーホテルであった。ちなみにこれは外人価格らしく、ロコなら約8ドル、すべては2重価格で成り立っている国である。
荷物を部屋に投げ入れて、さっそく街をさすらう。
まずは腹ごしらえ、ごちゃごちゃした一角にある何やら江東区あたりの「古ビル改造カフェ」的レストランへ。
入った瞬間、一斉にギロりの視線、店内すべてがインド人である。なるほど、ここはインド人街か。
まだまだしょっぱな、場馴れ前、カメラを上に構えての店内撮影。ああ、ヘタれな僕であることよ。
注文した例の油麺「ジョン・カオスエ」。ミャンマービールの中生(500チャット、約50円)とともにかっ食らう。
さあてと街を巡れば路上古本屋。一冊約90円、やけに高いな。マニア向け貴重本なのか。
市場をさすらい、
ヤンゴン川の夕陽を眺め、
19番街の屋台にて、
黒ビールと串焼きでご機嫌になり、
ホテルに戻って、地下探検に赴くも、ロングドレスのお姉さまが入口にズラリのお出迎えで、何やらクラブはクラブでもアクセントの置き場が違うようで、僕のカテゴリーではないのでパスとする。
部屋に戻って、日本から持参したスルメとバーボン飲んで、寝た。