『Gerba』(ヘルバ)キャップトゥシューズ。
重厚な皮革をグッドイヤー製法を用いて仕立ててあり、ちょっとやそっとではびくともしない、我が海外出張靴である。 稀にセレクトや本格靴屋に履いていくと「チーニーですか?」とお声をかけられ、なるほどジョセフ・チーニーのCAIRNGORM 2Rとよくにている。
キャップトゥーという様式はもとより色目のバーガンディー、レザーの型押し具合も瓜二つで、ラバーソールというスペックまで同様である。 黒帯級の店員氏、靴マニアであっても見分けがつかぬところかと思われる。
ただし、チーニーが英国製に対し、こちらのGerbaはスペルと読みでおわかりのように英語圏の靴ではなく、いと珍しきオランダ製、しかも現行品ではなく90年代のデッドストックである。
左端に写る、ベージュの紐を通したものが、今から5年ほど前に入手し、10カ国以上を踏破した我が相棒ともいうべきGerbである。
今まで出張靴はジョンロブのコテージラインのウィリアムか、パラブーツのシャンボードであったが、Gerbaに出会ってから前者たちの出番は日常のみとなった。
ウィリアムコテージライン(パラブーツがファクトリーであったのは周知の事実)、シャンボードも耐久性、ソールのグリップ等、旅靴としては上出来であるが、Gerbaに出会ってからはその地位が揺らいだ。
こいつを履いてパリの石畳から、メコンデルタのジャングルまで、スタイリング的にもフラノのINCOTEXからカットオフの501まで、絶妙な絵が出来上がる。
ブラッシングするだけで艶も生き返る。エルメス本店でも怪しくなく、海外旅はもとより、近所のコンビニなどにも日々ヘビーローテーションで、だが、ソールはご覧の通り、ほとんどへたっておらず、パラブーツなら3回位はオールソールしていたであろう堅牢さである。
5年間履き倒したソールの図 左上は新品 雨が降ってもシミにもならず、当初、ケミカルな顔料仕上げと思っていたが、どうやら本格的な染料仕上で、その上から強固な仕上材で保護されているようだ。
トラッドなリーガルの上級ラインであるところのインペリアルラインのグレインレザーと同じ、といえばわかりやすい。
本格的な染料仕上げだがが雨を弾くのである。
アセトンを用いて仕上げ剤と色を落とし、その上で染め替えたのが真ん中のダークブラウンのやつである。 しっかりとオイルも入り、味わい深い一足に仕上がっている。
色を落とし、オイルド染料で染め替えた
堅牢なグッドイヤーウェルト製法である。チーニーは確かベルトショーン製法
Gerbaのキャップトゥーシューズ、次回は我が様々なカスタムをお見せする。 それでは又!!