ときめきスタイル社 店長Sの『東京彷徨かわら版』

Since1991年。たたかう古着屋『ときめきスタイル社』店長(社主)Sによる情報発信ブログです。雑誌掲載コラム、スタイリングの数々。そしてファッション及び服飾雑貨に関する考察などを掲載しております。

『グローブトロッター オリジナル21インチ』×『トリッカーズ コードバン』

『グローブトロッター オリジナル21インチ』×『トリッカーズ コードバン ラゲッジと靴と旅する私と① おしやれは足元からの定説には抗えない。僕はレディスのスタイリングをするときは、まずシャツやスエター、コート等、上物一品が初めにあり、そこから発想を広げていくのだけど、自分自身のこととなるとまず靴を選び、そこから全身を組み上げていく。 天候にもよるし(雨の日コードバンは却下だよな。はたまたウエストンのハントなんざ晴天でも滑りまくるのに!)、メガネにもよるけれど、靴から組んだほうが男服は締まるのだ。 旅に出るときはその地の風土、人情、酒場に思いを巡らし、ワードローブからピックしていく。 国内一週間なら3コーデ位、+ジャケットも忍ばせていく。機内持ち込みではちょっと心もとなく50L前後のラゲッジとなる。そう、コーディネイトの最後の仕上げはラゲッジなのである。 このくらいのサイズまでなら引くものであり、断じて転がすものでない。最近は機内持ち込み28リットルまでもが4輪仕様が増え、まるで年寄りの歩行補助機、男たるもの引っ張り倒してなんぼであり、その足元を固めるのがまた靴なのである。 例えば犬さんぽ。イングリッシュ・ポインターを引き連れた男の足元がダンロップのビニール運動靴では、あまりの切なさに犬も距離を取りたいに違いなく、せめてパドモア&バーンズ、できればジョンロブのコテージライン位は欲しいものである。 スーツケースまた然り。国内旅は駅に到着してからも宿まで歩く。その土地を知るためにも歩く。まだ昼寝中の酒場街を下見をするのも一興であり、ケースを引き連れ街をさすらう。変な服屋、本屋・・・etc。 旅の相棒が如きラゲッジと靴の奏でるハーモニー。ピタリと決まれば旅の気分もドどーーと上がるのである。

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 『グローブトロッター オリジナル21インチ』×『トリッカーズ コードバン

英国ヴィクトリア朝後期に産声を上げたトラベルケースブランド、グローブトロッター。最近ではレディースバッグなどにも進出し、全体的に価格も高騰、ラグジュアリーブランド化の兆しも見え初めたが、だからこそ選びたいのが男の持ち物ベーシックラインの『オリジナル』。コーナー三角部分もバルカンファイバーが用いられ擦れたキズは風情ある景色となる。 今回のやつは10年近く前のタイプでブラック×タン。金具がつや消しゴールドの重厚なものである。 ヨーロッパのクラシックホテルに備えられた金庫的重厚さが冬のツイードスタイルにマッチする。 コーデで合わすのは同じく英国の『トリッカーズ』カントリー コードバン。3色マルチカラーのコードバンが用いられ色合わせもバッチリ。グローブトロッター オリジナル21インチ、そしてトリッカーズ コードバンの最強コンビ。さあ旅立ちは、金沢か京都か。

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『ラゲッジ×靴』。何回かに分けて書いてみるよ。それでは又!