John Lobbの『Davos』。モンクストラップチャッカ、といったところで90年代のジョンロブである。 ロブパリながらもドイツ経由で入手したものである。
アッパーのレザーのシボがペッカリーを彷彿させるが、浅草、今宮、各地の革職人氏に見ていただくと、グレインレザー、すなわち型押しのカーフではないかとのことであった。 シルバノラタンジにもペッカリー型押しのブーツがあったと記憶するが、このDavosは、柄の出方も自然で、ペッカリーを謳ってもいない。
ライニングのレザーも肌理が細かく、このレザーでグローブなんぞ作りたいほど、しなやか滑らか味わい深い。
しかしながら、この『Davos』。残念ながら(でも無いが)一週間前に手放した。 トゥのとんがり具合が気に食わない。 ブランキーニやオールデン、ラッセルモカシンや旧ダナーで育った僕にはこのピンピンさが合わんのである。 何か途端にミスマッチになってしまう。
ジョンロブなんだぜ、と心のなかで吹聴しながら街をさすらっても、気分が上がらない。 似合う人、買ってくれ、と、買取屋さんに手放した。
状態95%の極上品なれど、買取価格はべらぼうに安い。
ああ、手放すとなればこんなものか。
これでジョンロブを手放すのは3足目である。
世間の評価と自分の気分は寄り添わない。 合わんもんは合わんのである。
さらば。