ときめきスタイル社 店長Sの『東京彷徨かわら版』

Since1991年。たたかう古着屋『ときめきスタイル社』店長(社主)Sによる情報発信ブログです。雑誌掲載コラム、スタイリングの数々。そしてファッション及び服飾雑貨に関する考察などを掲載しております。

デンマーク発 至上の美時計 『JACOB JENSEN Rectangular 806』 ヤコブ・イェンセン806

僕も人並みくらい、嗜む程度に時計道楽を経てきたけれど、『ロレ』から『パテ』、『アラン・シルベスタイン』へと至り、そして今、最も気分を上げてくれるのがデンマークのデザイナー『ヤコブ イェンセン』作の角型クロノグラフ、JACOB JENSEN Rectangular 806である。

 

我がスタイルの一部として違和感なく溶けこんで、喫茶店でキーボードを叩く時、一人酒場でグラスに手を伸ばす時、左手首を見て心は和む。

「ええな。」

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JACOB JENSEN Rectangular 806

 大陸マネーが時計市場を席巻し始めた頃から、フェイスサイズも大型化へと振れ始め、「高いほど有難い」と、実質を伴わない定価自体の値上げ競争、階層誇示の道具化が加速し、コディネートの小道具的には機械式高級時計は「あえて避けるべきモノ」と化してしまった。

 

そんなときに出会ったのがJACOB JENSEN の、この角型クロノグラフである。価格は確か5万円と少々。今から4年ほど前に日本国内では100本限定で発売されたものである。

 

以前から同じくJACOB JENSENの丸形クロノグラフ『601』を愛用してきたが、角型『806』は、より唯一無二なデザインで、いまだかつて類品など見たことなく、僕はひと目で落ちたのだ。

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左『601』、右『806』。601の文字盤はシンプルなアイボリーだが、806は光線によってアイボリー、クリーム、シルバー系と様々に表情を変える。

 

JACOB JENSENは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に19点の作品が収められているプロダクトデザイナーだけど、特に時計のデザインで存在感を放ち、無駄を削ぎ落とした姿はミニマルの極。

 

シンプルでいて、針、ボタン、カレンダー窓、綿密な計算バランスにより至上の美を奏でている。

特にトップ写真のように、斜め横からのルックスが最も見ごたえがあり、クロピウス作、バウハウス・デッサウ校を彷彿としてしまうのは僕のフェチ癖か。

チタニウムで作られたケースサイズは大きすぎず小さすぎず。大型化前の『ROLEX』メンズのオイスターケースと同じくらいのサイズ感である。

 

JACOB JENSE『601』、そして『806』。

決して大きくはない。それでいて遠目から見ても圧倒的な存在感を放つ、極めつけの美時計だと僕は思う。

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ベルトは『601』『806』共通だ。806にはよくなめされた上質のカーフベルトが装着されているが、601のラバーベルトはもちろん、他の600番台の茶系のレザーベルト等にも交換出来る。

 

それでは又!